カルト資本主義―オカルトが支配する日本の企業社会
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ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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人気ランキング: | 156680 位
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参考価格: | ¥ 79 (消費税込)
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積み上げられた事実からなにを見出すか
本書は、大企業が行なっていた疑似科学的研究や、公官庁が抱いたオカルト研究への関心、全体主義的で神懸かった物言いをする大物経営コンサルタントや大企業経営者の姿、単一価値観を構成員に刷り込むことで成功しているカルト的な経済組織体などを関係者への丹念な取材を通じてあぶり出したノンフィクションです。
本文庫の元の単行本は1997年の発行ですが、一部の登場人物は発行時よりさらに磨きが掛かって活躍中であったり、カルト的組織体のダイナミクスは現在も全く変わらず、内容に古臭さは感じられません。
事象を評論する著者の姿勢に偏りが強い点が残念です。
著者は「ものを深く考えず村社会に埋没する日本国民を、国や企業や資本家が意のままに操作している」のが日本の現状と憂慮しているように感じられ、著者にとって本書で取り上げた事柄は全てその査証なのでしょう。
しかしながら、私自身にはそこまで大仰なことでもないでしょうと思われる事柄も少なからずありました。本書で明らかにされた事実は大いに興味を惹かれたのですが、著者の主張の部分は一歩引いて読んでいました。
著者の主張に賛成するか否かは読者の判断ですが、いずれにしても、具体的な事象を積み重ねた本書は経済活動と疑似科学やオカルティズムや全体主義との関係を知る上でユニークな資料が数多く盛り込まれており、大変おもしろい本だと思います。
貴重な資料
一部からは批判もあるけれど、やはり日本国内の企業がやってる与太研究をたくさんおさえているというだけでも、資料価値が高いといえよう。著者の考察やプチ陰謀論に賛同するか否かは読者次第でよい。なんといっても知識となるユニークな情報が少なくないのだから、国内の懐疑論者にとってはかなり重要な文献であると思う。
それにしても・・・最後の方、アム○イが原因で自殺した主婦の日記・・・スピリチュアル系の一見無害なタワゴトが、どろほどゴロテスクで恐ろしいものかぞっとさせる。
ただ、やはり現実は現実であり、読むべき一冊だとおもう。
信教の自由?
すべてのカルトはオカルト信仰からきている。
批判論もあるが、あのネオナチズムも根がオカルト主義にあるとされている。
宗教を信仰することとはごく身近で軽微な支配、被支配の関係にある。「仰せを信ずる」のが信仰だからだ。
また「儲」かるの漢字を分解すると信者となる。
資本主義では従順な信者が多いほど儲かるという理論に達する。
一般的に従順は良い事とされているが恐いはなしである。
小泉のオカルト政治の出現を産業界の歪みから予言した名著
単行本として出た段階で、表紙に刷り込んであった幾つかの見出しには、「京セラ稲盛和夫の信仰」「ソニーと超能力」「EM菌と世界救世教」「船井幸雄と労務管理」とあり、たちどころに好奇心を掻き立てられるが、読み進むに従って引き込まれるほど、洞察に満ちた面白い本であると納得する。テーマとしては日本の企業が、カルト的なまやかしに支配されている状況について、丹念に事実を調べて問題を掘り下げている。著者の問題意識は、「大衆はなぜカルトに魅せられるのか」という点にあり、そこに人間支配を狙う心理操作の魔術が、いかに日本人を蝕んでいるかの秘密に肉薄する。この本が出てから三年後には、メディアを使った大衆操作によって、小泉ブームが日本を包んだことからして、日本における狂気の診断所にも鳴っている。だから、小泉政治がカルト政治として登場するわけだが、それを遥か前に予想したという点で、本書は予言の書であったことを証明しており、歴史に残る名著の仲間に加わったのである。ぜひ一読をお勧めする次第である。
問題意識はよいが、細かい内容は疑問あり
第1、この本の長所
問題意識。私も成功哲学や自己啓発とされる本を日本のもの(中村天風や船井幸雄)、外国もの(最近はバトラー=ボートンの本に紹介されているもの)問わず読んだが、この考えを応用すると上の人に利用されると漠然と感じた。そのモヤモヤした感じを斎藤氏はこの本で表現できたように思う。
第2、この本の短所
1、オカルト関係について、著者は現在の科学では証明できないことをインチキとして片付けているが、著者の態度を貫徹すると結局科学者は新たな発見が出来ないのではないかと危惧した(インチキと証明されているのもの(たとえばEM)についてはこの限りでない)。
2、「思想」関係の批判にも疑問がある。たとえば、稲盛和夫氏のところで中村天風を批判しているが、人殺しが思想を展開してはいけないのか(展開自体は自由だし、もし展開できないとすると、外国の政治家は何も言えなくなるだろう)、著者が経歴に疑問を持つならばもう少し経歴を突っ込んで調べなければならないのではないか、などの疑問を持った。
第3、斎藤氏への今後の注文
1、外国の自己啓発本の批判をやって欲しい(ディスカバー21から出ているバトラー=ボートンの本に載っているものぐらいはやって欲しい)。そうでないと、本文の普遍性が出ないから。
2、中村天風批判。経歴をもっと詳しく調べてもらいたい。
第4、結論ならびに評価。
問題意識星5つ、第2と第3は星2つ、全体的には星3つ。
文藝春秋
機会不平等 (文春文庫) 不屈のために 階層・監視社会をめぐるキーワード (ちくま文庫) 国家に隷従せず 安心のファシズム―支配されたがる人びと (岩波新書) 「心」が支配される日
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